Vol.9 コロナ太りを解消するには

 節分で邪気が払われ、春はもうすぐそこに来ているようです。自粛期間で色々とストレスのある生活が続きますが、みなさま心身共に健やかにお過ごしでしょうか。お正月に増えた体重がなかなか減らないとお悩みの方もいらっしゃるのではと思います。最近では、コロナ太り解消のためのダイエットなどとよく耳にしますが、そもそもダイエットとはどのようなものかご存知ですか?

 ダイエットの始まりは、アメリカで肥満患者が増加した際に、国家で取り組んだ「健康的な食事のプログラム」のことです。プログラムは医師と管理栄養士のグループによって作られたものでした。しかしその後日本の女性誌で取り上げられると「痩せてきれいになるための方法」と紹介され、間違った使い方をされるようになってしまいました。本来「ダイエット」とは日常的な食事、または食事療法のことで、痩せるための方法ではありません。栄養バランスのとれた食事にすることで、自然と体重が落ちることはあるでしょう。しかし食事の管理は一時的なものではなく、日々のこと。一生のことなのです。

 その上で考えてもらいたいのですが、そもそもなぜ肥満は起こるのでしょうか。食べる量が多いためだとか、カロリーオーバーのためだとよく言われていますが、実はそれだけではありません。私たち現代人を取り巻く食事の中で、肥満に最も影響のある第一の要因は、過度に加工されたものを食べていることでしょう。私たちが手にする多くの加工食品は原材料の栄養素がほとんど残っておらず、さまざまな添加物や化学物質が加えられています。そのような食品ばかり食べていると、栄養素が少ない上に、添加物や化学物質によってスムーズな代謝が行われません。体の中がうまく機能していない状態になってしまうと体はバランスを欠き、栄養素をなんとか蓄えようとして「肥満」が起こります。また足りない栄養素があるとそれを補いたいという本能が働き、食べたいという欲求になります。疲れているときには「甘いものが食べたい」という欲求が起きますが、これは甘いものを摂りたいのではなくビタミンC不足のサインです。「朝の果物は金」と言われるように、朝食に果物を摂るのがおススメです。

 「ダイエット=健康的な食事法」を実践していくと体調がよくなります。そうすれば体を動かしたい欲求が出てきて、自然と体を動かすようになり、代謝能力もグッとアップします。もちろん体重もその人の適正体重に整い、美しくもなります。必要な栄養素がきちんと摂れる新鮮な食事をして、健康で生き生きと生きたいですね。


食育プロデューサーの石橋さとこ

プロフィール
食育プロデューサー。一般社団法人The Organic Days 代表理事。“Food・Health・Education”をテーマに、イベントや講演会を多数企画。オーガニックハーブティーなどオーガニック商品のプロデュースも手がけ、子供たちの食を考える「ふくおか食育の会」の代表も務める。またオーガニック食材を日常のものにするために2019年の秋より福岡・天神にて「福岡オーガニックマルシェ」をプロデュース、好評を博す。持続可能な社会を目指す取り組みの1つとして「オーガニック」の普及を地元企業と連携して進めながら、学校給食でもより安心安全な食材を使用できるよう活動を続けている。
https://www.fuk-organic.com/

一覧へもどる