Vol.3 まずは調味料を変えよう

 最近は新型コロナウイルスのこともあり、免疫力をあげようという健康意識が高まっていますね。自粛期間には家庭菜園を始める方も多かったようで、ホームセンターでは園芸用支柱が売り切れたり、野菜の苗が品薄になっていました。実は私もオーガニックの種子や苗を購入し、家庭菜園を始めました。以前から自分で野菜を育ててみたいと思っていたのですがなかなか実行できず、ようやく始めることができました。「自分が食べるものは自分でつくる」という昔はごく当たり前のことが、現代に生きる私たちにとってはかなり特別なことのように感じられます。わが家の野菜は、友人の自然栽培の農家さんから週1回送ってもらっていて、足りない分はオーガニックスーパーで購入しています。家庭菜園では、なす、きゅうり、ミニトマトやハーブなどを植え、無農薬で雑草と共にできる限り自然な状態で育てています。ようやく実がなり始め、収穫を楽しみにしているところです。

 免疫力をあげ、コロナに負けない体づくりには、第一に毎日の食事が大切だと誰もが思うところでしょう。ではまず、何から取り入れたら良いのでしょうか。私のオススメは調味料を変えることです。商品裏の原材料のラベルを見ると、アミノ酸液、カラメル色素、ソルビトールなどよくわからないカタカナが書いてありませんか? また、酸味料、甘味料、着色料、保存料、安定剤、乳化剤など、多くの調味料には添加物が入っています。せっかく野菜や食材にこだわっていても、このような調味料を使って料理をすると、すべての料理に添加物が入ってしまうことになります。日本で使用されている添加物は約1500品目。この数は世界の中でもかなり多いと指摘されています。添加物をすべて避けることは難しいですが、正しい知識を持ち、選択できる力を持つことが必要だと感じます。

 日本の調味料は本来、発酵の働きでつくられています。ですが近年では近代化や大量生産により、昔ながらの製法でつくられていないものが多くなっています。正しい製法でつくられた調味料には幾種類もの優良な微生物・麹菌がいて、私たちの体に良い成分を増やしてくれています。毎日使う「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」と油を良質なものにするだけで日々の食生活が質の高いものに変わりますので、ぜひお試しください。

食育プロデューサーの石橋さとこ

プロフィール
食育プロデューサー。一般社団法人The Organic Days 代表理事。“Food・Health・Education”をテーマに、イベントや講演会を多数企画。オーガニックハーブティーなどオーガニック商品のプロデュースも手がけ、子供たちの食を考える「ふくおか食育の会」の代表も務める。またオーガニック食材を日常のものにするために2019年の秋より福岡・天神にて「福岡オーガニックマルシェ」をプロデュース、好評を博す。持続可能な社会を目指す取り組みの1つとして「オーガニック」の普及を地元企業と連携して進めながら、学校給食でもより安心安全な食材を使用できるよう活動を続けている。
https://sola-organic.com/

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