Vol.5 調味料の選び方 2

 前回は「砂糖」「塩」「酢」の選び方についてでしたが、いかがでしたか?
今回は「さ・し・す・せ・そ」の「せ(醤油)」と「そ(味噌)」そして「油」についてお伝えしたいと思います。

 「醤油」は日本が誇る伝統的な発酵調味料です。ですが近年では近代化や大量生産により、昔ながらの製法でつくられていないものが多くなっています。正しい製法でつくられた醤油には幾種類もの優良な微生物・麹菌がいて、私たちの生命維持に欠かせない物質をつくってくれています。選び方のポイントは、まず名称の横に「本醸造」と書かれているもの、原材料が大豆・小麦・塩のみのもの、脱脂加工大豆ではなく丸大豆を使用していること。それから微生物や麹菌が生きているので、容器が瓶であることも重要なポイントです。

 「味噌」は醤油とともに今、世界が注目している発酵調味料です。昔から「味噌は医者いらず」という言い伝えがあるように、栄養学や医学の面でも注目の食品です。味噌には米、麦、豆がありますが、それ以外の原材料が大豆と塩のみのものを選びましょう。日本の大豆の約90%は外国産なので、国産の大豆であることも気をつけたい点ですね。また加熱処理をしていない「生」と記載されているもの、「天然醸造」「無添加」の記載も注意して見ていきましょう。私は米、麦、豆の3種類の味噌をその日の気温や体調に合わせてブレンドし、オリジナルの合わせ味噌にして使っています。

 「油」は調味料と同じく毎日使うものなので、ここで選び方をお伝えしたいのですが、実は一番重要かもしれません。まずオススメしたい油は、やはりエクストラバージンオリーブオイルです。生でも使えますし、熱に強いので加熱用にも使えます。それからアマニ油などのオメガ3が多い油もオススメです。オメガ3は熱に弱く加熱調理には向かないので、生でいただきましょう。オメガ3は中性脂肪を減らして、高コレステロールを改善し、生活習慣病を予防する効果があるほか、がんの増殖や転移を防いでくれるという説もあります。これらの油を選ぶときには、遺伝子組み換えでない品種で、オーガニック栽培されたものを選びましょう。製法はコールドプレス(低温圧搾)製法で搾油されていること、人体に有害な化学溶剤を使っていないことが大切です。

 良質な調味料を使用すると、日々の食生活がぐんっと質の高いものに変わります。また私たち一人ひとりが昔ながらの正しい製法でつくられたホンモノの調味料を使うことが、日本の食文化の継承に繋がっていくのだろうと思います。日本の伝統的な調味料、残していきたいですね。

「福岡オーガニック
マルシェ2020」を開催

日 程 10月12日(月)/
13日(火)/
19日(月)/
20日(火)
場 所 エルガーラ・パサージュ広場
(大丸 福岡天神店)

食育プロデューサーの石橋さとこ

プロフィール
食育プロデューサー。一般社団法人The Organic Days 代表理事。“Food・Health・Education”をテーマに、イベントや講演会を多数企画。オーガニックハーブティーなどオーガニック商品のプロデュースも手がけ、子供たちの食を考える「ふくおか食育の会」の代表も務める。またオーガニック食材を日常のものにするために2019年の秋より福岡・天神にて「福岡オーガニックマルシェ」をプロデュース、好評を博す。持続可能な社会を目指す取り組みの1つとして「オーガニック」の普及を地元企業と連携して進めながら、学校給食でもより安心安全な食材を使用できるよう活動を続けている。
https://sola-organic.com/

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