今月は佐賀県
伝統の景観と心に触れる肥前浜宿・酒蔵通り

浜宿・酒蔵通りに佇む、約200年前に建てられた酒蔵を利用した食事処。新鮮な食材でイチからこだわった料理を味わえる。しょうが焼きや唐揚げ、ミックスフライなど定番の和洋定食が8種、とろける手作り「浜宿プリン」などのデザート、地酒も揃ったドリンク類がメニューに並ぶ。

定食はメイン料理に茶碗蒸し、小鉢、サラダ、ご飯に汁物と漬物、さらに好みのソフトドリンクがセットされたボリューム満点のもので、いずれも1,100円。人気は、プリっとした身に濃厚なタレが絶妙に絡んだ「鯛のあら炊き」、こだわりのタレと鰻の質で今や浜宿名物の「鰻のまぶし丼」、モモ肉使用で秘伝のタレとタルタルが絶品な「チキン南蛮」。鯛は身が引き締まるよう氷水の中で処理するなど、食材それぞれの良さを最大限に生かした料理の数々。

また土日祝日は通常メニューから5種が選ばれ、刺身とデザートが付いた「えらべる御膳」となり、1,500円で堪能できる。テーブル、座敷、個室と客席も人数や用途に応じて選べ、子供からお年寄りまで、幅広い層の人たちがリーズナブルにおいしい時間を過ごせる空間だ。

嬉野温泉は〝日本三大美肌の湯〟のひとつに数えられる名湯。その歴史は古く、肥前国風土記（713年）に「東の辺に湯の泉ありて能く人の病を癒す」と記される。「大正屋」は1925年の開業。純和風、和洋室、バリアフリー客室など用途に応じて部屋を選べる「本館」、専用露天風呂付きなどゆったりした空間で寛げるスイートタイプの「東館」、緑に囲まれた庭園に面し和の趣が溢れる「離れ」と、意匠や風情が異なる3種の宿泊棟に全73室の客室を用意。各部屋に源泉かけ流しの内風呂が備えられ、心ゆくまで温泉を楽しめる。

また錦鯉が泳ぐせせらぎを眺めながら湯を楽しめ、ミストサウナも備えた「滝の湯」（2月まで改装中）と、大空間で開放感に浸れる半露天の「四季の湯」という2種類の大浴場が設けられている。自家源泉かけ流しの、肌にも体にもやさしい湯をゆっくりと味わおう。
夕食では特選牛や有明海の魚介をふんだんに取り入れた会席料理に舌鼓を打ち、朝食は嬉野名物にして大正屋自家製の「とろける湯どうふ」をはじめ旬の野菜や魚など、佐賀の味覚を贅沢に盛り込んだ特製和定食をいただく。サービス・施設・料理、伝統的な旅館としての良さが受け継がれた空間で、安らぎのひとときを。