Vol.10「和食のマナー」とは?

お正月休みも終わり、ようやく日常の生活に体も慣れてこられた頃でしょうか。お正月の間には、おせち料理やお年玉など、日本の伝統的な食事や慣習に触れる機会が多かったと思います。生活スタイルが西洋化し、「洋」の方が身近になっている私たちですが、今月は「和食のマナー」についてご紹介いたします。

まずは基本の心構えについてです。礼法の言葉に「共に和していただく」という言葉があります。これは「食を共にして楽しむ」ということです。度々中座をすることは失礼にもなりますので、食事の前にお手洗いを済ませ、携帯電話の電源は切るか、マナーモードに必ずしましょう。食事のお相手に気を遣わせるのはマナー違反です。

また、「懐石料理」と「会席料理」の違いをご存じでしょうか。どちらも「かいせきりょうり」と読みますが、実は全く異なるものなのです。

■懐石料理

  • ・茶道から生まれており、「お茶」をたしなむためにいただく食事
  • ・一汁三菜を基本とし、ご飯と汁物は食事の「最初」に出てくる
  • ・侘び・寂びを料理として表現している
  • ・現在の和食のマナーにも深く密接している

■会席料理

  • ・宴席にてもてなされる食事で、「お酒」をたしなむためにいただく食事
  • ・一汁三菜を基本とし、ご飯と汁物は食事の「最後」に出てくる
  • ・今日の改まった和食としての一般的な料理形式

<一般的な会席料理の流れ>

  • 1.先付(さきづけ):前菜のこと。椀や小鉢は持ち上げていただく
  • 2.椀物(わんもの):吸い物のこと
  • 3.向付(むこうづけ):お造りのこと。白身魚、貝類、赤身魚の順でいただく
  • 4.鉢魚(はちざかな):焼き物、焼き魚のこと
  • 5.強肴(しいざかな):煮物、揚げ物、茶わん蒸しなどのこと
  • 6.ご飯、留め椀、香の物:留め椀は汁物のこと、香の物は漬物のこと
    ※お酒はここまで
  • 7.水菓子、甘味:デザートのこと

どちらも改まった場でいただくことが多い料理ですので、改めて、10月号でご紹介した「箸のマナー」や、焼き魚の食べ方のマナー、お椀の開け方などを見直しておくと安心です。

経営者コンサルタント 高山 友紀子

高山 友紀子

プロフィール
私立明治学園小・中・高等学校、福岡女学院大学卒業。
大学卒業後10年以上にわたり、九州電力をはじめ福岡地場企業にて役員秘書、ITベンチャー企業で社長秘書兼総務部長として勤務。その経験を活かし、2020年に合同会社Office Fierte(オフィス フィエルテ)を設立。法人向けにオンライン秘書サービスや企業研修(新入社員研修、管理職研修、コミュニケーション研修、接遇研修など)、個人向けにパーソナルプロデュース(見た目、立ち居振る舞い、話し方のマンツーマンでのトータルプロデュース)を提供している。特に、就活生、婚活者、営業職、経営者、子供をお受験させる保護者など、福岡県内外からパーソナルプロデュースの依頼が絶えず、数ヵ月先まで予約が埋まっている。

福岡アナウンススクールアナウンサー受験講座終了。
NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師。
NPO法人日本サービスマナー協会接客サービスマナー検定認定校。

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