「70歳を過ぎても、鎭子さんとよく一緒に、ステーキを食べましたわ!」
という記事を見つけたので思わずナニナニ?と聞いてみたのでした。読者対象が明らかに女性だからといってバカにする異性は未だに存在しますが、例えば今回のこの「女性自身インタビュー」は硬派で奥深い。
デザイナーの森英恵(90)が、放映中の「とと姉ちゃん」のモチーフである雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋鎭子('13年に93歳で没)との友情を語るという内容。二人が出会ったのは50年前で、ファッション業界と出版とは「まるで別世界に住んでいるようでしたが、二人がすぐに打ち解けたのは、“最初の夢”が共通していたから。戦争を経験していますから。」戦後の混乱期、自分の力で生きていこうと社会に出ていった女性の一期生ではないかと。敗戦国というコンプレックスがあるから、“仕事”で日本人の素晴らしさを世界に認めさせたいという思いが強くありました、と。
“筋金入り”だなぁと感服します。
「男の人みたいに稼ぎたい」と奮闘するのが今期ヒロインのテーマであり、確固たる自分を追求する姿を応援する人たちが多く視聴率が高いのも納得。
半世紀経った現代の私たちにはとても想像できない受難の連続だった彼女たちのパワーの源は何だったのか。そこで「ステーキが大好きでした。鎭子さんはホントによく食べる人で」というわけなのでして。フムフム。
実は私は30年程前にテレビのグルメ番組レポーターをしていた頃、有名フランス料理店のオーナーシェフに「うちのお客様は皆さま大層健啖家でいらして、しかも御長寿です。好物がステーキというのも共通しておられまして90歳でも80グラムのお肉をペロリと召し上がりますよ」と打ち明けられて心底ビックリしたものだが、つい最近、瀬戸内寂聴先生やピアニストのフジコ・ヘミングも同様の話をしていたから世の中には一定数の肉好きが存在するのは間違いないようなのだ。
仕事好きで情熱的、行動的な女子の一群とステーキの関連追跡調査を今後ともに続けていきたいと思っているところです。