2013年8月21日、一人の日本人メジャーリーガーが、金字塔を打ち立てた。
ニューヨークヤンキースに所属するイチロー選手が、日米通算4,000本安打を達成したことは、
もうご存知のことだろう。
そんなイチロー選手が小学6年生の時に書いた作文が今、改めて話題になっている。
著作権上の問題もあり、原文を紹介できないのが残念なのだが、
「夢」と題されたその作文には、プロ野球選手になるという夢を実現するために、確信を持って努力を重ねる少年の信念が綴られている。
夢を持て、希望を持てと人はよくいうのだが、夢を実現する上で大切なのは何かを、少年の書いたこの作文は語っているのだ。
この作文の存在をおしえてくれたのは、「神様、仏様、稲尾様」で知られた名投手、鉄腕稲尾和久さんだった。
稲尾さんと、当時オリックスの仰木監督とは西鉄ライオンズ時代からの旧友であり、長年にわたり良き飲み仲間であったのだが、或るとき「もうアイツは『イチロー』に名前を変えてしまおうと思うとる」と相談された。稲尾さんは「おーっ、それが良かばい。スッキリしとるしアメリカに行っても通用する」と即答したそうだ。
稲尾さんは仰木さんから「イチローは小学生のときから、一流の選手になると作文に書いとるような男だから」と常々聞いていたし、球場での一挙手一投足を見て「こいつは本物」と感じていたと語ってくれたのだった。
夢を持ち実現へと行動する能力を発揮できるのは人間だけ。見習いたいものですが―。