「実におもしろい!」
と、流行のフレーズでいえばこうなるのだろう。
遂にここまで来たかぁ〜と私は唸った。
人間の「味覚」というものを数値化する研究を始めたというのだ。
どうやって?
頭に装置をつけて、味への反応を測っていると。
びっくり仰天だ。
始めたのは、低価格メニューで店舗数を拡大しているサイゼリアの正垣会長。
「世界全体に大量の店を抱える業態は、どこへ行っても味が同じ。自分たちとの差は全然話にならないほど圧倒的だ。だから今それ以上のことをやろうと考えている」(週刊ダイヤモンド7/6号)
それが、味のばらつきを無くす調査。
原料、産地、加工方法、貯蔵、運搬、店での加工、教育など無数にある味がばらつく原因を、乗り越えたいというのだ。
そもそも、フードサービスが産業として大きくなれない、いい給料が出せない理由はただ一つ。「うまい」とは何かを数値化できないからだと。
世界で初めての試みというが、ホント、私も初耳だ。
「製造業は、ばらつきというのを数値化できてますから。それを目指します。また食べたい心理がデータでわかると、余計な投資をしなくて済む。さらにお客さんに安く出せる」。
うーむ。
確かにそうかもしれないが、製造業と飲食業はチガウのではないか。味は均質ではなく、微妙に異なっているほうが快楽的ではないのか。
いや、チガウと思う私のアタマが古いのか・・・。
「僕はより多くのお客さんに、“健康になってもらいたい”と思ってるの。薬を売ってるみたいなもんでね。でも、毎日健康なものを食べるためには、まず安くなきゃ駄目。だから、安さをずっと追求している。」
毎日食べるならまず安くなきゃ駄目だ、という経営者から、私は目を離せなくなってしまった。
しかし、それにしても、脳波で味がわかるのかなぁ。