クールビズが始まった。
そもそもクールビズとは「ノーネクタイ、軽装で業務にあたること」だと福岡県の広報課は発表している。今年は5月1日から10月31日までだから半年間が「軽装」ということになる。
ここで、ヤレヤレネクタイ無しでラクチンだとノーテンキで無防備なのは単なるオジサン。
そもそも背広姿というのは、タダのオッサンをとにもかくにも働く男として認定させるための便利なツールであり、その武具を奪い去るのがクールビズ。
一般的男性の制服に包まれているうちはなんとか誤魔化されていた「個人の服装のセンス」が大いに問われ、露呈することになる、実はゆゆしき問題なのでありまして。
上衣で隠せないのだから、シャツの美学、パンツ(ズボンのことです)のライン、靴の質感や全体の色彩コーディネートが日々問われることともなる。
職場の同僚、特に女子の視線は、見るともなく男たちの一挙手一投足を査定しているのだと知るべきでして。実際にOLたちに尋ねてみると驚くほどキビシイチェックが入っているから油断は禁もつだ。
統合すると、大切なのは「崩しすぎない」。
たとえば、仕事中は、暑くとも、シャツのすそはズボンの中に入れるなど、要はオトナの男らしい「キチンとした着こなし」を心掛ける。
具体的に参考になるのはアイビールックで、「何ば着たらいいと?」と訊かれたら提案して喜ばれている。
アイビーは米国東部の名門大学の学生たちが好んだトラッドな装いで、1960年代に日本でも大流行。中高年にもなじみのあるスタイルだ。
綿のチノパンツに長袖のシャツの袖をまくし上げると何だかデキル男を演出できる。
紺のスリッポンを合わせると清潔感が増す。
ボタンダウンシャツやチェックの半袖シャツ、素足履きのローファーもこの夏なら許容範囲ではないか。
大切な商談の日は、やはりスーツにネクタイは欠かせないが、素材を選び、淡いトーンでまとめる、などなど、自由に着こなしを楽しめるチャンスだと考える余裕がほしい。
上衣はいつ必要になるかもしれず、紺やグレーのブレザーなど合わせやすいものを会社に置いておくのをお勧めする。
アロハやカリユシは女性には不評、ミュージシャンやアーティストは別ですが。