「AKB48、ピンク・レディ抜く」という新聞記事に目が止まった。
市場調査会社オリコンによると、AKB48のシングルが6作連続ミリオンを達成し、女性歌手最多となった。ピンク・レディによる昭和53年の5作連続以来、33年半ぶりの記録塗り替えとなる、という。33年半ぶり!!
実は私は流行歌評論家でもありまして、この報道には、非常に感慨を持った。
さまざまの要因が複合して、発売一週間でCD100万枚を売る、などという快挙はもう有りえないだろうと、たいていの人々は悲観的だった。
AKB48のセールス手法がかなり異色であることを差し引いても、こりゃまた大変な記録でありしかも昨年末はレコード大賞も獲得しているのである。
ただ、ピンク・レディと一番チガウのは、30余年前は、彼女たちの楽曲をほとんどの日本国民が知っていて口ずさむことができたけど、AKB48のはタイトルさえ知らない?一部の熱狂的少数しか判別つかないということでしょう。
ところで私が関心を持つのは、今や経済効果200億円のAKB48仕掛人秋元康が放送作家時代からの弟子である岩崎夏海(200万部を超える大ヒットの「もしドラ※」著者)に語った「教え」のかずかずだ。
秋元は岩崎にこう言ったそうだ。
「壁を乗り越えようとしちゃいけない」と。
横にずれていけば、いつか壁は終わるんだから、そこからまた前に進めばいいじゃないかと。その理由は秋元が「僕は無理だもん。壁を乗り越える根性もないし(笑)」というのだが、コレ、私はとても気に入っています。
根性を出して、岩に爪を立て歯をくいしばって耐えろ、が大好きな我々にとってまさに目からウロコ。
また「記憶が残る幕の内弁当はない。アレもコレもは駄目。オカズはひとつに絞れ」「“らしさ”という予定調和はエンターテイメントの敵。たぶんこうだろうなと思うと人は興味を持たない」はたまた「基本的に反省はないよ。ただ学習はする」「まだ人生の結論が出ているわけではないけど、遠回りしないといけないよね。無駄な時間がないと」「根拠のない自信は強い」などなど。
AKB48スタッフ、メンバーには、24時間AKB48のことを考えろ、とずっと言っているそうだが、24時間考えてはじめて結果に結びつく、ということですよね。
※もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら