九州の味を楽しむ

年末年始はおうちで九州の郷土料理にチャレンジ!
ふるさとの懐かしい味や他県の家庭料理で食卓を彩りませんか。
豊川信子さん豊川信子さん

アゴ出汁で味わう具だくさん雑煮 博多雑煮

正月の雑煮の起源は平安時代の元旦の宮中で出された料理という説があります。餅には力が宿るとされていました。今では各地の特徴がありますが、博多雑煮には「かつお菜」が欠かせず、縁起担ぎで「勝男菜」とも書きます。

【材料4人分】
  • ・薄口醤油大さじ2
  • ・水適量
  • ・塩少々
  • ・焼きあご4匹
  • ・こんぶ2枚(5cm角)
  • ・干し椎茸4枚
  • ・かつお菜1/2枚
  • ・さといも大2個
  • ・丸もち4個
  • ・にんじん・大根各4枚(1cm角)
  • ・ぶり・かまぼこ(赤・白)各4切れ

※動画では小松菜を代用しています

下準備
  1. ① 手でほぐし、内臓を外した焼きあごと、昆布を水に一晩つけて出汁をとる。
  2. ② 干し椎茸を水で戻し、戻し汁を出汁に加える。
  3. ③ ぶりに塩を振り一晩寝かせた後、熱湯でさっと茹でる。
  4. ④ かつお菜の根本に切り込みを入れて青茹でし、しっかり絞る。
  5. ⑤ にんじんは梅型に型抜きして、包丁で切り込みを入れて見た目を整える。
  6. ⑥ 紅白のかまぼこは4切れ分、かつお菜は4cm、大根は薄い輪切り、里芋は亀甲型に切る。
  7. ⑦ すべての材料を下茹でしておく。
作り方
  1. ① 餅は昆布を敷いて別に茹でる。
  2. ② あご出し、椎茸の戻し汁、薄口醤油を鍋で合わせ、鍋を温めながら具材を加える。
  3. ③ 下から大根、餅の順番で盛り付け、その上にぶりや他の具材をのせる。
  4. ④ 最後に出汁を加えたら完成。

上品なだしの色と味にするため、薄口醤油は控えめにしましょう。博多雑煮は水から茹でた餅を入れるのが決まりです。盛り付けるときは大根を具の一番下に置きます。

500年の歴史を持つ祝い料理 大村寿司

戦国時代、第16代領主大村純伊 (すみこれ) が領地を奪回した際、領民たちはご飯とありあわせの具を長方形の箱に入れ、戦勝祝いの押し寿司として差し出しました。将兵たちは脇差で切り分けて食べたとされています。

【材料4人分】
  • ・米2合
  • ・出汁昆布5g
  • ・日本酒大さじ1
  • ・干し椎茸10g
  • ・かんぴょう10g
  • ・茹で竹の子30g
  • ・れんこん25g
  • ・ごぼう65g
  • ・さやいんげん30g
  • ・卵3個
椎茸の戻し汁:200cc
薄口醤油:小さじ1
本みりん:小さじ1
塩:小さじ1/2
酢:大さじ2
砂糖:大さじ1
塩:小さじ2
下準備
  1. ① だし昆布と日本酒を洗米した米に加え炊飯する。
  2. ② 干し椎茸を水で戻す。
  3. ③ 椎茸、かんぴょう、茹で竹の子、ごぼう、れんこん、さやいんげんをすべて粗みじん切りにする。
  4. ④ 鍋に椎茸、かんぴょう、茹で竹の子、ごぼう、れんこんを入れ、さらにAを入れたら、10分ほど煮込んで冷蔵庫で30分冷ます。
  5. ⑤ 卵を溶いて砂糖、塩を加えて溶きほぐし、ざるでこす。卵焼き器に油を薄く引き、卵を数回に分けて焼き、薄く焼いた卵を重ね、細切りにして錦糸卵にする。
作り方
  1. ① 炊き上がったご飯に合わせ酢Bを混ぜ、ご飯をほぐしながらさらに混ぜ合わせる。
  2. ② ハケなどで寿司枠にお酢を塗り、酢飯を敷き詰める。
  3. ③ その上に具材、酢飯、さやいんげん、錦糸卵を順に重ね、上板をのせて、鍋など重石になるものをのせ、上から均等に押す。
  4. ④ 30分経ったら寿司枠を外して、食べやすい大きさに切り分ける。最後にお皿に重ね盛り付けて完成。

溶き卵は、こして白身を除くことできれいな錦糸卵ができます。寿司枠がない場合は酢飯と具を混ぜ合わせ、錦糸卵、刻み海苔を載せてちらし寿司風にすると良いでしょう。

薩摩武士の豪快な男料理 とんこつ

ぶつ切りにした豚の骨付きあばら肉を、桜島大根やこんにゃくと一緒に芋焼酎と味噌で柔らかく煮た料理です。薩摩藩士が戦場や狩場で始めたのが由来とされ、焼酎を飲みながら車座で鍋を囲み、取り分けて食べる野外料理でした。そのため「無骨煮」とも呼ばれ、青年藩士の武道場・学問所「健児(こんでい)の舎(しゃ)」の祝い行事などにも出るようになりました。

【材料4人分】
  • ・豚骨(8切れ)500g
  • ・油大さじ2
  • ・芋焼酎1/2カップ
  • ・大根500g
  • ・にんじん120g
  • ・こんにゃく(黒)150g
  • ・生姜1片
  • ・黒砂糖36g
  • ・みそ140g
  • ・いんげん20g
下準備
  1. ① 鍋に油を入れ火をかけ、鍋に火が通ったら豚肉を入れて焦げ目がつくまで焼く。
  2. ② 芋焼酎を回しかけ、アルコールを飛ばす。
  3. ③ 生姜の皮は厚めにむいて、生姜は細く切り針生姜にする。
  4. ④ むいた生姜の皮を鍋に加え、豚肉がひたひたになるまで水を加え1時間煮込む。
  5. ⑤ こんにゃくを塩揉みして、熱湯で茹で、アクを抜く。こんにゃく、にんじん、大根は大ぶりに切る。
作り方
  1. ① 鍋にこんにゃく、にんじん、大根を加え、さらに黒砂糖、みそを加えたら、具材がひたひたになるまで再び水を入れ、さらに30分弱火で煮込む。
  2. ② 残りのみそを加えて味を調整し、さらに30分煮込む。
  3. ③ 皿に煮込んだ具材を盛り付け、針生姜と茹でたいんげんを添えたら、最後に煮汁をかけて完成。

鹿児島では桜島大根を使いますが、大根でもOK。圧力鍋を使えば時間短縮に。また、多めに作って翌日に残しても、味がいっそう染みてさらに美味しく味わえます。

学校給食に出る熊本のソウルフード 太平燕(タイピーエン)

ルーツは中国福建省の祝いの席の郷土料理。20世紀始め、熊本に移住してきた福建人によって広まり、次第に日本風にアレンジされていきました。現在は熊本の中華料理の定番であり、学校給食でも出されます。

【材料4人分】
  • ・豚肉(小間切)50g
  • ・かまぼこ25g
  • ・イカ50g
  • ・エビ50g
  • ・卵4個
  • ・春雨50g
  • ・干し椎茸1枚
  • ・にんじん1/3本
  • ・玉ねぎ1/2個
  • ・白菜100g
  • ・ねぎ25g
  • ・えのき茸25g
  • ・生姜少々
  • ・薄口醤油大さじ1
  • ・酒小さじ2
  • ・鶏がらスープ小さじ1
  • ・水3カップ
  • ・ごま油小さじ1
  • ・塩・こしょう少々
下準備
  1. ① 卵を180°の油で回転させながら揚げる。
  2. ② 干し椎茸は水で戻しておき、戻し汁を作る。
  3. ③ イカ、エビに酒をふりかける。玉ねぎと水で戻した椎茸は千切りに、ネギは小口切りにし、白菜、にんじん、かまぼこは短冊切りにする。
  4. ④ 春雨は水で戻して食べやすい大きさに切る。揚げた卵を半分に切る。
  5. ⑤ 生姜は円を描くように擦りおろし、お茶パックに入れ、しぼり汁をとる。
作り方
  1. ① フライパンをよく熱して油を入れ、豚肉を炒める。豚肉に色が付いたら椎茸、にんじん、玉ねぎを炒める。
  2. ② 塩・こしょうと椎茸の戻し汁を入れ、鶏がらスープを加え、アクを取りながら煮る。
  3. ③ スープが煮立ったらイカとエビ、次にかまぼこ、白菜に、ごま油、薄口醤油を入れる。
  4. ④ 水で戻した春雨を加え、ねぎを入れたら生姜汁を加えて香りをつける。
  5. ⑤ 最後に揚げ卵をのせて完成。

イカ、エビは冷凍物でも構いませんが、酒を振って水洗いで生臭さを消しましょう。炒め油はラードを使えばさらに美味しくなります。ゆで卵は揚げなくても構いません。

唐津の幸を朝食でもてなす 朝からつ茶漬け

新鮮な魚介を始め、米や茶など山海の幸に恵まれる唐津。宿泊客にもてなしの朝ご飯を、と唐津市内のホテル・旅館で始まったご当地グルメです。玄界灘の魚介、佐賀の米と唐津の茶を使うなどのルールがあります。

【材料4人分】
  • ・イカ刺身40g
  • ・タイ刺身40g
  • ・ブリ刺身(またはマグロ)40g
  • ・醬油大さじ4
  • ・みりん大さじ4
  • ・日本酒大さじ2
  • ・砂糖小さじ1
  • ・緑茶
  • ・わさび、みょうが、炒りごま、松の実、きざみのり適量
下準備
  1. ① イカ、タイ、マグロ、ブリを食べやすい大きさに切り分ける。
  2. ② 鍋に炒りごまと日本酒、みりん、醤油を混ぜ合わせる。
作り方
  1. ① 鍋に火をかけ、混ぜ合わせたタレを煮立てる。
  2. ② タレの粗熱を取ったら刺身を漬け込み、ラップをして冷蔵庫で1時間~一晩寝かせる。
  3. ③ 松の実をフライパンで炒る。みょうがを千切りにする。
  4. ④ 刺身をご飯にのせたら、みょうが、わさび、松の実をのせ、最後にきざみのりと熱い緑茶をかけて完成。

刺身は好みのもので構いません。つけダレに浸す時間は好みによります。あっさりとしたければ1時間、しっかり濃い目をお好みでしたら一晩漬けこみましょう。

母から娘へ伝えられた家庭料理 がね

料理名の「がね」という言葉は、都城や鹿児島地方の方言で「蟹」を意味します。でき上がった形が「蟹」に似ていることが名前の由来です。都城では家庭料理として母から娘へ受け継がれ、祝いの席などで煮しめと一緒に出されます。

【材料4人分】
  • ・ごぼう1/2本
  • ・にんじん大1/2本
  • ・さつま芋大1本
  • ・にら半束
  • ・木綿豆腐半丁
  • ・砂糖50g
  • ・塩小さじ1
  • ・小麦粉300g
下準備
  1. ① ごぼうとさつま芋を5~7cmに角切りにして水にさらす。
  2. ② にんじんを5~7cmに角切りにし、ニラも5~7cmの長さに切る。
  3. ③ 材料を水切りしたら、木綿豆腐を手でちぎる。
作り方
  1. ① 材料とちぎった木綿豆腐を合わせて小麦粉を加える。
  2. ② 砂糖、塩の順に入れ、水を少量ずつもったりするまで加え、混ぜ合わせる。
  3. ③ 適量に分けて、中温の油で約2分間揚げ、お皿に盛り付けたら完成。

さつま芋以外の野菜は好みでカボチャ、玉ねぎなどを使っても良いです。砂糖や塩の量は好みで調整できます。油に入れてから少し箸で押さえると形がまとまります。

ご飯に載せて食べても美味しい りゅうきゅう

「りゅうきゅう」の名の由来は諸説ありますが、沖縄の漁師が伝えたという説と、ゴマを和える「利休和え」が由来という二つの説が有力です。大分県南部の漁師のまかない飯や保存食として作られ、大分県全域に浸透したそうです。

【材料4人分】
  • ・好みの刺身(ブリ、アジ、ハマチ、タイなど)
  • ・醤油100cc
  • ・みりん100cc
  • ・炒りごま適宜
  • ・おろし生姜大さじ1
  • ・小ねぎ適宜
  • ・大葉4枚
作り方
  1. ① 炒りごまを鉢でよく擦り、みりん、醤油、おろし生姜の順に混ぜる。
  2. ② お好みの刺身を用意したら、先ほど作ったタレに刺身を加え、混ぜ合わせ、30分ほど冷蔵庫で寝かせる。
  3. ③ 小ねぎを小口切りにする。
  4. ④ 大葉の上に盛り付け小ねぎを散らして完成。

そのまま出して酒肴にする、あるいは炊きたてご飯に載せれば「りゅうきゅう丼」になります。先に刺身をたっぷりのおろし生姜で和えても良いです。

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