5章 ウェブページによる情報発信

保護者の方へ

子どもがウェブページを公開するときには、そのウェブページで自分の思っていることや表現したいことを自由に発表できるすばらしい場であると同時に、その内容については発信者である子どもに責任がかかることを、よく理解させてください。

そして、ウェブページの公開にあたっては、次の点をよく確認してあげてください。

• ・著作権を侵害していないか。
• ・個人情報の保護がなされているか。
• ・必要以上のプライバシー情報を公開していないか。
• ・見る人を混乱させるような内容になっていないか。
• ・友だちなどの悪口が書かれていないか。

ウェブページを公開するということは、全世界に向けて情報を公開することになります。「子どものやったことだから」といういいわけは通用しません。最初からウェブページを全世界向けに公開するより、最初は、教室内、学校内だけで公開するなど、各学校の状況にあわせて、指導してください。

保護者の方へ

子どもがウェブページを作成するときは、次の点を確認してください。そして、そうした内容が掲載されたウェブページを公開すると、それがどういう影響を及ぼすのかを説明し、今後は書かないように指導してください。

• ・友だちや他人の悪口などを書いていないか。
• ・興味本位の話しや、出所のはっきりしない噂話を書いていないか。
• ・まことしやかに書かれた、ウソか本当かわからない情報を鵜呑みにして掲載していないか

悪口を書けば、悪口を書かれた子どもを大きく傷つけることになります。また、はっきりしない噂話やウソの書きこみは、そのウェブページを見ている多くの人を混乱させるだけでなく、これが原因でトラブルに巻き込まれる危険もあります。

なお、子どもの悪口が書かれたウェブページを発見したら、すぐにメールなどの手段で抗議するようにしてください。

保護者の方へ

子どもがウェブページを公開するときには、著作権を侵害していないかどうかを確認してください。

ウェブページに用いられる著作物には、次のようなものがあります。

• ・他人の撮影した写真
• ・他人の作成した絵画、イラスト
• ・他人の作成した音楽
• ・他人の作成した詩、エッセー、小説などの文章

他人の著作物を利用するときは、作者の許可を得てからにしましょう。なお、著作物には、作者の許可を得れば利用できるもの、有料でできるもののほかに、使用条件に従えば著作権フリーで利用できるものもあります。使用条件としては、使用報告を送付すること、作者が指定するバナーを貼付すること、作者のウェブページへリンクすることなどがあります。作者によって使用条件は異なりますので、条件をよく読んで利用するようにしてください。

保護者の方へ

ウェブページを公開しているときには、作成した日や更新した日、そのときに更新した情報などがわかるようにしたほうがよいでしょう。逆に、ページを見るときにも、更新日時などを確認して、あまりにも古い情報の場合、それよりも新しい情報がないかどうかを探すように指導してください。

保護者の方へ

連絡先として、住所や電話番号などの個人情報をウェブページに掲載しないように、十分に注意してください。また、家族構成など家族のこと、学校や友だちの話、写真なども、子どもの勝手な判断で安易に公開させないよう気をつけてください。

連絡先としては、メールアドレスを記載するのがよいでしょう。メールアドレスを載せることで、そのページの作者が誰かがわかって親切ですし、公開している限り、ページを見た人からの反応が欲しくなるかもしれませんので、その連絡先としてもメールアドレスが適切です。

ただし、ウェブページにメールアドレスを掲載すると、メールアドレス収集ソフトによりそれが収集され、スパムメールが送られてくる可能性が非常に高くなります。メールアドレスの文字列をGIF形式やJPEG形式などの画像ファイルにすると、メールアドレス収集ソフトは画像ファイルの内容を認識するのが困難なので、非常に効果があります。

保護者の方へ

他のウェブページにリンクを貼る場合は、リンクに対する条件や注意書きがあるかどうかを、確認してください。そして、それに従ってリンクを貼るようにしましょう。

たとえば、単に「リンクフリー」となっている場合は、事前連絡なしでリンクを貼ることができます。そして、リンクを貼ったあとで「リンクしました」とメールを出しておくとよいでしょう。リンクに対する条件や注意書きが何も書かれていない場合や、「リンクを貼るときには連絡をください」と書かれている場合には、リンクを貼る前に、リンクを貼りたい（相手の）ページ、自分のページのURL、リンクの目的、公開は学校内かそれ以外か、などを記述して、リンクの許可を得るようにしてください。

リンクに関する注意を無視して安易にリンクをはると、リンク先の相手に不快な思いをさせたり、トラブルを生じたりする可能性があります。

また、リンクをはる相手のページが、子どもにふさわしいページであるかも確認してください。いやらしい、きわどい、暴力的な、または、不愉快な内容をのせている悪いページや、ウソの情報をのせているページにリンクをはってはいけません。このようなページへのリンクを見つけた場合はリンクを削除し、正しいリンクのありかたを説明してあげてください。そのうえで、リンクをはるのにふさわしいページにはりなおすように支援してあげてください。

保護者の方へ

自分のウェブページから、他のページにリンクを貼るときには、そのページがだれのページかがわかるようにしてください。他のページの情報を、画像への直接リンクやフレームなどで自分のページに取り込んで、自分のウェブページの一部であるかのように見せてはいけません。このようなコンテンツはインラインイメージといって、著作権の侵害になる可能性があります。

インラインイメージを利用する場合は、それが他の作者のウェブページであることが、見ている人にわかるように表示するよう、子どもに教えてください。